ABEJA 成長戦略 / 現在地と伸ばし方 / 2026-07-09

他社と同じ人月ビジネスで、
ABEJAはどこにいて、どう伸ばすか

第1部=他社比較で現在地。第2部=計算式・レバー・型化で打ち手の地図。数値は各社の決算短信・有価証券報告書の実数。

第1部 現在地第2部 伸ばし方早見表
3位/11社
成長の速さ(前年比)
悪くない
62.4%
粗利率=稼ぐ力
勝ち組より高い
49.9%
販管費率=残す力
勝ち組の2倍・重い
49.2%
原価に占める外注費
急伸・重い
要は:ABEJAは稼げていないのではない。稼いだ粗利を、重い販管費と外注で食い潰している。

前提:ABEJAは看板は製品(ABEJA Platform)だが売上の主力は人月受託。比較対象は人月11社。成長の速さは全社、原価/販管費は開示9社、外注費は開示3社(残りは非開示=データ制約)。

第 1 部
現在地:他社比較でABEJAはどこにいるか

1-1 成長の速さ(全11社・前年比)

グロービング+97.7%
ノースサンド+59.5%
ABEJA+29.6%
PKSHA+28.9%
ベイカレント+27.8%
ライズ+25〜30%
Laboro.AI+25.4%
SHIFT+17.3%
シグマクシス+17.3%
ブレインパッド+11.5%
フューチャー+8.8%

ABEJAは11社中3位。明確に上はグロービング・ノースサンドのみ。=成長の速さは悪くない。

1-2 なぜ最速の2社は成長が速いか(対ABEJA)

観点速いコンサルABEJA
採用の母集団 大量採用ルート× AI人材が薄い
案件の標準化 型化しやすい 非定型
単価・予算 フィーが予算化 お試し止まり
AIの取込 高単価で内製 本丸なのに未活用
戦略の絞り 人月一本 製品と受託の二兎

人月の成長≒人員増。差は「採用のしやすさ」と「案件の型化しやすさ」。ただし成長は入口=本丸は次の利益構造。

1-3 売上の使われ方:ABEJAだけ販管費(オレンジ)が厚い

ベイカレント営利34%
原価43
販管22
34
グロービング営利34%
原価32
販管34
34
シグマクシス営利21%
原価55
販管23
21
フューチャー営利21%
原価51
販管27
21
PKSHA営利18%
原価50
販管32
18
ブレインパッド営利13%
原価52
販管35
13
ABEJA営利12%
原価38
販管50
12
SHIFT営利12%
原価65
販管23
12
Laboro.AI営利10%
原価33
販管57
10
原価販管費営業利益

ABEJAは原価が最小(粗利62%)なのに販管費が最大(50%)。営利が12%なのは販管費の重さが唯一の理由。25%に下げれば営利37%相当。ノースサンド・ライズは内訳非開示で対象外。信頼性:高

1-4 外注への依存(開示3社)

ABEJA原価の49.2%
グロービング33.7%
ブレインパッド(単体)21.7%
6.67億
売上原価の外注費
(顧客納品)
1.46億
販管費の業務委託
(社内機能の外注)

ABEJAは人が採れず外注に依存。原価と販管費の両方が重くなる。原価率だけでは外注は見えない(ABEJAは外注多いのに原価率は最低)。信頼性:中(開示3社)

1-5 社員1人が生む営業利益

グロービング1,026万
シグマクシス772万
ベイカレント750万
フューチャー450万
PKSHA390万
ABEJA335万
ブレインパッド268万
Laboro.AI199万
SHIFT133万

営業利益÷全従業員。ABEJAは単価型の勝ち組の1/2〜1/3。信頼性:高

1-6 現在地の課題(第1部まとめ)

稼ぐ力
粗利率62.4%=勝ち組より高い。1件ごとの利ざやは優秀。
×
残す力(本丸)
販管費49.9%(勝ち組の2倍)+外注49.2%。固定費と外注で利益が消える。

直すべきは「稼ぎ方」でなく「残し方」。第2部で式に沿って打ち手を並べる。

第 2 部
伸ばし方:計算式・レバー・型化

2-1 地図:利益の式。レバーは各項を動かす

利益= 人数×単価×稼働率 原価販管費

下のレバーの色は、この式のどの項を動かすかに対応。

2-2 レバーの選択肢(6レバー19本・取捨なし)

各項目をタップで詳細(仕組み・実例・前提リスク)。

人数を増やす人数
1人材工場↑人数 2オフショア↓原価 3M&A↑人数 4協力会社・外注↑人数
単価を上げる単価
5上流シフト↑単価 6成果報酬↑単価 7専門特化↑単価 8単価の可視化↑単価
稼働率を上げる稼働率
9ワンプール↑稼働 10パイプライン↑稼働
原価を下げる原価
11再利用・型化↓原価 12AI自動化↓原価 13標準化↓原価
収益構造を変える構造
14ストック化継続 15製品化脱人月 16レベニューシェア↑単価
販管費を軽くする販管費
17規模の経済↓販管 18管理の内製/外注↓販管 19採用効率化↓販管
取捨はしない。排他でなく束ねるもの。選ぶのは次段(効き幅×難易度で評価)。

2-3 型化:複数レバーを同時に動かす横断技

型化=作った設計・評価基準を次案件に使い回す。動かす項(色は式に対応):
採用の質↓単価↑稼働↑原価↓
採用
× 専門家しか使えない → 適用作業に格下げ、若手・オフショアで担当
単価
× コモディティで下がる → 資産の適用で価値ベースに
稼働
× 属人的でムラ → 立ち上げ速く待機減
型化=製品スケールではない。原価を「逓減」に曲げる
1案件の原価 1社目 N社目 素の人月=線形 型化=逓減 この差=利益の源泉

顧客ごとに人は要る=勝手にスケールしない。2社目が1社目より安くなる、が型化の効果。

2-4 勝ち組は複数レバーを束ねている

ベイカレント589営利34%
グロービング5616営利34%
シグマクシス57営利21%
SHIFT1231213営利12%・量型
Palantir711高収益
PKSHA1511営利18%

番号は2-2のレバー。色は式の項。高利益率の勝ち組は「単価+稼働」中心、SHIFTは「人数+原価」の量型。

2-5 ABEJAの打ち手(式のどこを直すか)

利益= 人数×単価×稼働率 原価販管費
まず
式の右(販管費17・18・19/外注は単価に転嫁 or 内製)を軽くする=粗利62%を残す
並行
式の左(単価5・6・8/稼働9・10)を上げる。採れない量の制約は2オフショア+11型化で回避

赤枠=ABEJAが重い項。どのレバーを束ねるかは効き幅×難易度で次段に評価(今は選ばない)。

財務早見表

売上YoY粗利率販管費率営利率営利/人
ABEJA36億+29.6%62.4%49.9%12.4%335万
ベイカレント1,483億+27.8%56.6%22.3%34.3%750万
グロービング83億+97.7%67.9%33.9%33.9%1,026万
シグマクシス263億+17.3%44.6%23.2%21.4%772万
フューチャー760億+8.8%48.7%27.4%21.3%450万
PKSHA218億+28.9%49.8%31.8%18.0%390万
ブレインパッド118億+11.5%48.0%34.6%13.4%268万
SHIFT1,298億+17.3%34.7%22.6%12.0%133万
Laboro.AI19億+25.4%66.9%56.9%10.1%199万
ノースサンド262億+59.5%30%目標
ライズ80〜100億+25〜30%

営利/人=全従業員ベース。会計期はバラつき(8月〜3月)。ノースサンド・ライズは原価/販管費の内訳未開示。信頼性:高(各社決算短信・有報の実数)

出典

作成: Claude(生田岳 分析用)/ 2026-07-09 図解中心版
数値は各社決算短信・有価証券報告書の実数。外注費比率は開示3社のみ。営利/人は全従業員ベース。投資判断用ではない。

効く
仕組み
実例
前提・リスク